いつもの街並みをいつもの時間に、車で通りすぎる。
今日は、今日こそは大学の講義に出るはずだった。
だけど………
気が付いたら車を路肩に止めて駐車していた。
(この分じゃ……また講義をサボるつもりなのかな、僕は)
そう思いながら、ハンドルに顔を伏せる。
サボる理由は?
――雨が降っていたから。
ハメハメハ大王のような理由だと、自らを省みて苦笑する。
僕は、雨が嫌いだ。
理由は…………なんなのだろう。自分でもよく判らない。
そんなもやもやを振り払おうと顔を上げる―――と。
そこに、雨宿りをする彼女
―玲音(れいん)
―がいた。
自分でもよく判らない。
でも、気が付くとドアを開けて、彼女を招き入れていた。
雨の日に雨(レイン)という名前の子を乗せる――。
その偶然に、僕はきっと自分が嫌いな雨を重ねてしまうのだろうと思っていたのだけど……。
そうは、ならなかった。
こうして、止まっていた
「雨−レイン−の記憶」
が、再び動き始める。