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  六条一馬(ろくじょう・ひとま)は生まれた時から将来が決まっていた。


     「執事になるのだ」 


世界的大財閥、宮乃大王院(みやのだいおういん)家に先祖代々仕える名執事の息子は、やはり大恩ある宮乃(以下略)に仕える執事となるべきである。
 そんな決められた豪華絢爛非日常なレールの将来に納得のいかない一馬は、父の元を飛び出して見知らぬ土地で平凡かつノーマルな貧乏を謳歌していた。
だが、平和な日々は突然破壊される。

 一馬のアパートに無理矢理押しかけた人物こそ、宮(以下略)の次期当主にして一馬の幼なじみ、煌々(きらら)その人だった。


精一杯の抵抗を見せる一馬。

だが煌々の「一馬、ここを開けよ!」の一喝が響き渡ると、慣れ親しんだ習慣とは恐ろしいもので、自ら進んでドアを開け、うやうやしく迎え入れてしまう始末。

それもご丁寧に立て膝まで着いて。


こうして1グラムの常識も持たないくせに、配って歩いても余りある非常識を大きな胸一杯につめこんだ、絶対プリンセスのわがままに振り回される、一馬の受難の日々がはじまる。



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